GANZO×趣味の文具箱 究極のコラボモデル登場記念!~GANZO SPIRITS Vol.03 [GANZOのディープな魅力]
美の神は細部に宿る。
細部の美が集まることで、佇まいは美しく、そして他にはない個性的な全体のスタイルが生み出されていく…。
美しく、かつ使いやすい革製品を作り続けるGANZOは、2017年に創業100年を迎える株式会社AJIOKA.のハイブランドだ。素材、作り、デザインに徹底してこだわり、個性的かつ魅力あふれる革製品を作り続けている。
GANZO製品の熱烈なファンであり、ヘビーユーザーでもある「趣味の文具箱」編集長・清水の声に応える形で、「GANZO×趣味の文具箱」による魅惑のオリジナルモデルが過去に数多く作られてきた。
GANZOの魅力を探る「GANZO SPIRITS」の最終回は、GANZOの生みの親であるディレクターの味岡儀郎さんと編集長・清水が、GANZOのディープな魅力を語り合う。
GANZOの魅力は「繊細かつ素朴」な佇まい
清水 今日は自分が愛してやまないGANZOたちを持ってきました。
味岡 うわぁ、こんなに。ほとんどがシェルコードバンですね。どれも相当使い込んでますね~。
清水 はい。一番大きいのはバイブルサイズのシステム手帳、小さいのは名刺入れやカード入れです。
味岡 清水さんはシェルコードバンの魅力をどこに感じていますか。
清水 ずーっと昔から好きなもので…、その理由を言葉にするのはなかなか難しいですね。色、艶、開閉するときのぎゅうぎゅうと鳴くサウンド、手触り、それまでになかった経年変化の光沢感にある日突然気づいたり…。自分の道具として愛用して、はじめて感じることができる五感に響く良さでしょうか。
味岡 GANZOはスタートして約18年ですが、当初からホーウィーン社のシェルコードバンを使っています。当時は靴に使われていることがほとんどで、革小物にこの革を使うことは珍しかったんです。
清水 使い込むほどに魅了されるいい革ですね。まず手入れがそれほど必要ないし、使っていくと艶がどんどん出てきます。傷が付いても時間が経つと目立たなくなり、その積み重ねがいい味わいに変わっていく。そして色も深みがどんどん増していく。
味岡 清水さんのサイフの内側に使っているシェルコードバンは「ウィスキー」という名前の絶妙な色をしたブラウンなんです。経年変化もご覧のとおり、色と艶がいい感じに成熟していく。でも残念ながらいまは作られていなくて、我々も使えない。だからこのサイフはとても貴重ですよ。
美しく、かつ、使いやすい道具を求めて探求し続ける
清水 とても使いやすくて、もう10年以上使い続けています。GANZOの特長のひとつが、実際に使っているときの佇まいの良さだと思います。店頭に並んでいるときはぺたっとスリムでかっこいいのにカードやコインなどを入れはじめたとたん、膨らんで店頭で最初に見た形と激変するものも少なくありません。GANZOのサイフは結構な量のカードなどを差し込んでも、あまりもっこりしない。これにはどんな秘密があるんですか。
味岡 GANZOを始めてからずっとなんですが、実際にお客様に使い始めてもらった時にいかにスマートに使っていただけるかを相当研究しているんですよ。「アリ」などと呼んでいますが、折り返しの長さにどれだけ余裕を持たせるかは小物の設計ではとても大切なんです。アリが短いと何も収納しないときはコンパクトでかっこいいのですが、物を入れるとすぐにふくらんでしまう。ありが長いと収納しやすくなりますが、全体のスマートさに欠けてしまう。かっこよくて使いやすい設計にはこの部分のバランスがとても大切なんです。
清水 革の各パーツをよく眺めると、微妙な革の漉き具合も細かく設計されていますね。
味岡 カード段などもスマートに見えて、かつカードを出し入れしやすくなるようにポケットのパーツの漉き具合を場所に合わせて調整しています。それから表と裏の革の張り合わせも相当研究しました。使う糊を工夫することで、平らでスマートなパーツを作ることができるんです。
清水 シェルコードバンで作ったものは、独特の柔らかい曲線がありますよね。GANZOの物作りは技術と経験のある職人が繊細に仕上げていますが、全体の雰囲気には手作りならではの温もりが伝わってきます。だからシェルコードバンとGANZO製品の相性もいいのでは、と勝手に思っています。
味岡 そうですね。牛革などではなかなか出せない優しいふくらみはこの革の大きな特長です。例えば男性用のスーツの場合、日本で仕上げたものはとても繊細な作りをしているんだけど、全体を見るとカチッとしすぎてまじめな印象。でもフランスあたりのスーツは仕上げがどこかふわっとしていて、その雰囲気がとてもかっこいい。私は若い頃にイタリアに料理の修業に行っていました。イタリア料理はできあがると、どさっとアバウトに勢いよく盛りつけたりするんですが、それがとても美味しそうに見えて、そして食べてみると繊細で奥深い味がする。GANZOもこんな物作りを目指したいなと思っています。
味岡 シェルコードバンは使い込んでいくと出てくる「あたり」も絶妙です。収納した物に内部から押されて当たった部分が盛り上がりますが、この雰囲気がとてもいいんですね。
清水 自分のシステム手帳の場合、6つのリングの「あたり」は、もう芸術的に美しいですよ。システム手帳を愛好する人の中にはリングの盛り上がりを嫌う人もいるようで、実際にこれを防ぐためのガードする革のパーツがリングの両サイドに付いていますね。自分はこれが不要なんです。使い込んだシステム手帳らしさが濃厚に漂うこのリングのあたり、大好きです。盛り上がっている部分はさらに艶を増していきますし。
清水 GANZO製品の素朴で優しい雰囲気のもうひとつの秘密には、ミネルバボックスの存在があると思います。
味岡 そうですね。シェルコードバンとの相性も抜群ですが、シンブライドルなど多くの素材と組み合わせて使っていますね。ミネルバボックスは素揚げの革なので、取り扱いが難しく、実際の製造でも手間がかかります。職人さんも丁寧で高度な技が要求される。でもGANZOはこの素材の組み合わせにこだわって物作りをしています。
清水 東京・表参道の本店で発見したGANZOのクリームを最近使い始めました。自分の愛用品の場合、シェルコードバンが多いので、このコードバン専用クリームは助かっています。ちょっと塗るだけで艶がどかんと出ますね。クリーム選びでは過去に何度も痛い目に遭っているので、純正クリームは安心して使えます。
味岡 コロンブスと共同開発をしたGANZOのオリジナル品です。革にこだわるお客様がとても多いもので、店頭でお客様の要望をいろいろ伺って、それを元に開発しました。良い素材ほど手入れをする甲斐があるもの。ウィスキーでもゆっくり呑みながら、ゆったりと愛用品のメンテナンスを楽しんでいただければ、と思っています。
清水 ありがとうございました。今後の新しい、そしてGANZOらしい魅惑のレザー製品を楽しみにしています!
GANZOフェア 2017年秋に開催!
「M5ジップケース」の発売を記念して、2017年秋に百貨店でGANZOポップアップショップがオープンします。100周年記念モデルも販売予定。
○大丸東京店(東京・JR東京駅) 10/4(水)~10/17(火)
○博多阪急(福岡・JR博多駅) 9/13(水)~9/26(火)
※直営3店舗(表参道・六本木・大阪)、オンラインでの取り扱いは9/6(水)から。
店舗情報はこちらからお願いいたします。
http://www.ganzo.ne.jp/store/