日本の万年筆の良さを体感しよう!
42号の特集のテーマは「日本の万年筆」。
3大ブランドを中心に、製品の魅力、最新情報をぎっしりと詰めてお届けします。
日本の文字は、タテ書きとヨコ書きがあり、漢字とかな、アルファベットが入り交じる独特で複雑な筆記文化を背景にしています。その中で日本製の万年筆は、多様な筆記スタイルに合わせて進化し続けています。
かなりレベルの高いところで、3つのブランドの万年筆には書き味にも微妙な違いがあります。特集の内容を考えるにあたり、あらためて3つのブランドの万年筆を目の前に並べ、書き比べをしてみました。
最初に取り出したのは「趣味の文具箱」オリジナルのプロギアレアロ「スケルトンレッド」。ペン先は贅沢な21金で、字幅はFです。
セーラー万年筆のペン先は鋭いシルエットがとにかくかっこいい。ペン先の先端部の絞り具合が急激で、まるで武器のような尖った印象がかなり強い。細い文字を書くときには、紙面に対して先端の照準を合わせやすい印象を自分は感じています。日々活用している見開き1週間のバーチカル式スケジュールに書き込むときは、このペン先が必須です。自分にとっては、早書きしても文字が乱れづらく、見返したときもしっかり読める文字が書ける万年筆なのです。
21金の場合、金の含有率は約88%ですが、この万年筆の書き味はかなり硬質な印象。切り割りの長さは約9ミリという短めの設計もこの絶妙の硬さを生んでいるようです。細字ながらカリカリする感じはほとんどなく、インクフローも潤沢なので、限り無く低い筆圧で細い文字を安定して書くことができます。
さて、同じ細字のパイロット、そしてプラチナのペン先の書き心地は…、また次回以降でレポートしたいと思います。そして「日本の万年筆」の魅力をぎっしりお伝えする「趣味の文具箱」42号もお楽しみに。
この記事は2017年4月14日に配信されたメールマガジンの内容を一部を転載して構成されています。各種情報は変更されている場合があります。
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清水 茂樹(しみず しげき)
1965年、福島県会津若松市生まれ。2004年より文具情報誌「趣味の文具箱」編集長。「ステーショナリーマガジン」「ノート&ダイアリースタイルブック」も手掛ける。ソリッドな黒軸、ネイビーブルー色のインク、風合いが育つ革、手のひらサイズが大好き。