プラチナ万年筆「万年筆で書くメッセージリレー」撮影の裏話
万年筆は文化そのもの。
万年筆は、手で書くことの大切さを象徴するものであったり、時にはアナログかつ手工業が必須の往年の工業製品の象徴として語られることもある。
デジタル全盛で文字に個性が失われた時代だからこそ、手で書くことの価値、手で書く道具の魅力を伝えるメッセージはとても貴重です。多くの筆記具メーカーも様々な角度からメッセージを発信し続けています。
プラチナ万年筆の「万年筆で書くメッセージリレー」もそのひとつ。
2016年の秋に広報担当のYさんから「ぜひ登場してください!」と電話がありました。撮影されるのはどうも苦手ですが、手書きの良さを伝えるための力になれるのなら、ということで「よろしくです!」と返事をしたら、結構大掛かりな撮影クルーが編集部にやってきました。
このキャンペーンは手紙を書いて、その手紙を折り、紙飛行機にして大空に飛ばすと、次のひとへ届き、それを見た人が「よし、自分も手でメッセージを書いて飛ばしてみよう…」と手紙の輪が繋がっていく連続した物語。
撮影の現場でカメラのレンズを向けられ、便箋と♯3776センチュリーを取り出し、
「ところで、自分が飛ばした紙飛行機はどちらの方へ?」と監督に尋ねると、
「あ、女優の高島礼子さんです」
「えっ!」
「心に染み入るような、暖かいメッセージをお願いします」
と、かなりの難題。
その答えは、YouTubeを見ていただくとして、せっかくの機会なので
「紙飛行機と一緒に、自分も高島さんの手書きの部屋に飛んでいっていいですか」
とやや強引にお願いし、都内の日当たりのよい某所に飛んでいきました。
高島さんは、思ったより長身でスラっとした印象の方でした。
緊張ぎみに「初めまして」と挨拶し、「昭和40年男です」なんて話しはじめると、気さくに「あ~、学年は同じで同級生だね~」と笑顔で応えていただきました。同世代で、あの美しさ、若さ、溌剌さ、を目の当たりにして、元気をたくさんいただきました。
高島さんが使う♯3776センチュリーの字幅は細字。自分が書いた手紙は極太のコースを使ったので、「こんな太い線が万年筆でも書けるの? 太い線も味わいがあっていいなぁ。このペン先も使ってみたいなぁ」と万年筆に俄然興味を持たれたようでした。
12月12日から始まった「万年筆で書くメッセージリレー」の新シリーズは合計8人の方々が紙飛行機を飛ばしています。
この記事は2016年12月16日に配信されたメールマガジンの内容を一部を転載して構成されています。各種情報は変更されている場合があります。
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清水 茂樹(しみず しげき)
1965年、福島県会津若松市生まれ。2004年より文具情報誌「趣味の文具箱」編集長。「ステーショナリーマガジン」「ノート&ダイアリースタイルブック」も手掛ける。ソリッドな黒軸、ネイビーブルー色のインク、風合いが育つ革、手のひらサイズが大好き。