ブランドの歴史[クロス]~コニカルトップに宿る米国最古のブランドの誇り~
CROSS
1846年、英国からアメリカへ渡ったアロンゾ・タウンゼント・クロスが創業。シャープペンシルの先駆けとなった「繰り出し式ペンシル」や、ボールペンの原型となった「スタイログラフィックペン」を発明し、当時革命的な筆記具を次々に発表した。
創業100周年にあたる1946年にはクロスの代表的製品となる「センチュリー」を発売。1953年発売のセンチュリーボールペンは「アメリカの代表的モデル」と呼ばれるほどのヒット商品となった。
170年にわたる伝統と技術によって培われたアイテムは筆記具にとどまらず、レザー製品やカフリンクなど多分野に及び、トータル・ライフスタイル・プロダクトブランドとして発展を続けている。
創業170年の歩み
クロスの歴史は、ペンシルキャップの製造から始まり、繰り出し式ペンシルを発明。ボールペンではアメリカ筆記具の代表ブランドといわれるほどに成長を遂げた。伝統的なスタイルを守りながら、常に新しい技術を取り入れ成長を続けている。
~1812|イギリス・バーミンガムでクロス家はペンシルキャップを製造する。
1812|西部開拓時代の新大陸アメリカに、一家で移住する。米国・ロードアイランド州でペン事業を開始。美しい装飾を施した金銀のペンシル用ホルダーを製造する。
1846|クロスの創業者となる、アロンゾ・タウンゼント・クロスが誕生。父リチャード・クロスが、アロンゾの誕生を記念して筆記具メーカー、リチャード・クロス&サンズを設立。
1870~1880|アロンゾが事業を引き継ぎ、社名をA.T.クロスカンパニーに変更する。伸縮自在な望遠鏡式ペンシル、ボールペンの先駆けとなるスタイログラフィックペン、シャープペンシルの先駆けとなる繰り出し式ペンシルを発明。米国特許を26、英国特許を7つ取得する。
1889|クロス初の万年筆ピアレスを発売。
1916|アロンゾが引退し、販売担当および機械技術師として働いていたウォルター・R・ボスに会社を売却。以後、ボス家が事業を引き継ぐ。
1918|ボディの色彩が美しいオルライトラインを発売。
1935|センチュリーの前身となるシグネットラインを発表。
1946|創業100周年を迎える。100周年記念センチュリーペンシルを発売。円錐型のキャップとエレガントなフォルムが、後のクロスを代表するデザインとなる。
1953|センチュリーボールペンを発表。アメリカ筆記具の代表モデルと呼ばれるほどの大ヒットとなる。
1968|バラのイメージを刻印し、クリップをなくしペンパースを付けたレディースラインが登場。
1993|創業者の名を冠した、太軸の高級ライン、クロス タウンゼントコレクションを発表。
1996|ボディにシングルリングを施した、中軸の高級ライン、センチュリーⅡを発表。
1999|デイビット・G・ウォーレンが、社長兼CEOに就任。ブランドロゴを一新する。
2000|流線型のラインが特徴的なエイティエックスコレクション、グリップが変形するボールペン、モーフを発表。その後も画期的でユニークなアイオン、マトリックス、バイスなどが次々と登場する。
2004|開発に3年以上の年月を費やした、クロス ヴァーブを発表。
2005|現代的な新シリーズ、アポジーを発表し、大ヒットとなる。
2006|レザーアクセサリーとポケットペンからなる、オートクロスレザーコレクションを発表。筆記具の枠を超えて、ファッション性の高いアクセサリーを生み出す。
2007|1930年代に登場したモデルを基に開発したセンチュリー シグネット、コンパクトサイズの新シリーズ、クロス コンパクトを発表。
2008|アフリカに生息する動物の柄をモチーフにしたクロス ソバージュを発売。
2014|1889年のクロス初の万年筆ピアレス発売から125周年を記念してクロス ピアレス125を発売。ボタニカルパターンを昇華プリントした新コレクション、ボタニカが登場。
2015|ブランドのロゴをリニューアル。スター・ウォーズとのコラボレーションモデルを発売。
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この記事は趣味の文具箱特別編集のムック「世界のペンブランド」(2016年4月10日発行)の内容を一部抜粋して構成されています。「世界のペンブランド」は国内外50以上のペンブランドをABC順に紹介。各ブランドを代表する魅力的な万年筆、ボールペン、シャープペンシル、鉛筆などを幅広く紹介。ペン好き必携、保存版の1冊です!
※記事の内容は「世界のペンブランド」発行当時のものです。ブランドや商品の情報等は変更されている場合があります