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2016.12.28

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絶滅危惧ステーショナリーに魅かれる!

絶滅危惧ステーショナリーに魅かれる!

(この記事は2016年9月からスタートした「【趣味の文具箱】Mail Magazine」の内容を一部を転載して構成されています)

今年はアシュフォードが創業30周年の記念イヤー。全国各地でイベント「アシュフォードラウンジ」を開催し、そのすべてに参加させていただいています。内容はシステム手帳の新しい魅力を伝えるというもので、願ったりかなったりの、とても楽しいイベントです。アシュフォード商品企画の向井さんと文具ディレクターの土橋さんと(お二人とも趣味の文具箱の連載でもおなじみですね)、札幌から福岡まで行脚し、時にはジンギスカン鍋をつっつき、ある夜中にはとんこつラーメンの名店にタクシーで出撃し…、もちろんお酒を酌み交わしながら、楽しく濃厚に文房具を語り合いました。

土橋さんとは趣味の文具箱の創刊号で原稿をお願いして以来(実はそれ以前からカメラ話をするカメラ友だちでもあったのですが)の10年を遥かに超える付き合いで、お互いの文具好きの指向性(嗜好性?)も、普段使いのペンケースの中身までも透視するかのごとくわかっている間柄。ですが、とことん文具話をしまくる日々の中で初めて気づいた共通の癖のようなものを発見。それは絶滅危惧な文具に激しく反応してしまう、というもの。

土橋さんの最近のブログでも話題になっていましたが、共通して愛用しているペンがことごとく廃盤となっています。ラミースピリット、トンボXPAなどはふたりで「即刻、復活させるべし!」と連呼する勢いの愛すべきペンで、形、機能、佇まいなど、語り出したらノンストップ必至の名品。 さらに同一モデルとしては続いているものの、なにかの理由で消えていった仕様違い、色違いといった“派生廃盤モデル”も自分はたくさん所有しています。すぐに思いつくものでは、ラミースクリブルの全身ブラック(3.15mm芯)。商品名の由来でもある「らくがき」をするペンとしては、道具の存在感を潜め、真っ白な紙面に気持ちも神経も集中できるマットブラックがもっともこのペンらしい姿と思っているのですが、気づいたときには店頭から姿を消していました。

スクリブルはクリップが着脱できます(この設計も素晴らしい!)。自分はクリップを外して使う派。雑誌のページレイアウトを考えたりするときにはA3のコピー用紙を広げて、クリップなしのスクリブルの尻軸をつまむようにして持ち、6Bのヌラヌラ芯で思いつくままぐりぐりとらくがき感覚で広い紙面に向かってラフを書きなぐっています。この作業はなぜか全身真っ黒の軸じゃないと気分がのらないのです。スクリブルはコンパクトなので外歩きの携帯用としても便利ですが、紛失が怖いので全身真っ黒モデルだけは編集部の机上専用。地方の文具店に行ったらまっさきにデッドストックでこの真っ黒モデルがないか探してみますが、いまだ発見できず。

そして自分にとって最高の派生廃盤モデルが、ファーバーカステル伯爵コレクションのパーフェクトペンシル。

10年ほど前に仕様が変更となり、エクステンダー(キャップであり補助軸でもある主役のパーツ)が現在のようなストレートな形になりました。それ以前は2つのパーツがネジで接続されている形でした。現行は内部の板バネで鉛筆を固定しますが、旧型はネジをちょっとだけ緩めることで鉛筆の着脱をする仕組み。旧型のほうが着脱にワンアクション必要なのですが、鉛筆の固定が確実で、かつ削った最後の長さが1センチくらいになってもしっかり固定できる。なによりも2段式のエクステンダーのバランスが絶妙なのです。鉛筆は使えば使うほど長さが短くなっていきます。重さもバランスも日々変わっていく。この特性を補うのが補助軸です。2段式エクステンダーの重さ、バランスは絶妙で鉛筆が長いときも、中くらいのときも、そして激短くなったときも適度な持ち重りとバランスを保ってくれます。

…と、こんなふうに土橋さんや向井さんとはイベントの打ち上げのたびに文具話を延々と楽しんできました。そして、話題がきっかけとなって新しい製品のアイデアにつながり、数か月後には現実のものとなって店頭に登場した文房具もありました(例えば、アシュフォードの世界最小クラスのシステム手帳「エレン」など)。

現在、趣味文CLUBのスタートに向けて、絶滅危惧かつ温故知新、クラシックorトラディショナル!なアイデアでペンケースを企画中です。(※)こちらもぜひお楽しみに。

※内容は2016年10月21日に配信したメルマガの内容です
※ペンケースは2016年12月28日現在、【趣味文CLUB】通信販売にて販売中の商品です(商品ページはこちら

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清水 茂樹(しみず しげき)

清水 茂樹(しみず しげき)

1965年、福島県会津若松市生まれ。2004年より文具情報誌「趣味の文具箱」編集長。「ステーショナリーマガジン」「ノート&ダイアリースタイルブック」も手掛ける。ソリッドな黒軸、ネイビーブルー色のインク、風合いが育つ革、手のひらサイズが大好き。

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